NTTについて
「大企業は強力な地盤を持っているけれど、時代の変化についていけず停滞してしまう……」
以前分析した日本郵便もその枠に入りますが、実は「NTT」もネットの掲示板などでは「過去の栄光が大きすぎる」と散々な言われ方をしています。
実際、直近の業績データ(2025年度最終・2026年度予想)を見ても、見事なまでに「横ばい」の予定です。


(画像引用:2025年度決算、2026年度業績予想等についてp.6 p.9)
この数字だけを見ると、「成長性がない」「期待のIOWN(アイオン)構想は失敗したのか?」と思われても仕方がないかもしれません。
しかし、NTTは夢の技術「IOWN一本」で一発逆転を狙うようなギャンブルはしていません。彼らの真の狙いは、「足元の金融・DXで泥臭く稼ぎつつ、中長期でIOWNを社会のインフラ(土台)として滑り込ませる」という、極めて現実的かつ多角的な二段構えの戦略にあります。
NTTの目指す未来:夢の技術【IOWN】の正体
NTT株主なら一度は耳にしたことがある「IOWN構想」。
「通信やAIなどの電気使用量を圧倒的に削減する」という革新的な技術ですが、その売り上げは単純な「通信料」として入ってくるわけではありません。

(画像引用:2025年度決算、 2026年度業績予想等についてp.22)
IOWNが社会に実装されると、その利益は以下のように各セグメントに分散して計上されると考えられます。
「次世代半導体」の売り上げ
IOWNを組み込んだ「データセンター」の利用料
「自動運転」や「宇宙ビジネス」のインフラ利用料
つまり、NTTが目指しているのは、「データ系企業として世界標準を作り、見えないところから世界を支配する(力を発揮する)」ということ。
かつてNTTは、ガラケー(iモード)のように「日本国内だけで通用する目立つサービス」で世界に挑み、AppleやGoogleに惨敗した苦い過去があります。
その反省から、現在のNTTは「表舞台のアプリやスマホで戦うのはやめよう。その代わり、世界中のAIやデータセンターがNTTの技術を使わなければ動かない『世界標準』を作ろう」という戦略に完全に切り替えました。効果が出るのはまだ先ですが、足元では着実に進んでいます。
もう一つの強力な軸:「ドコモ経済圏」の爆発力
中長期のIOWNが花開くまでの間、足元を支えるのが「ドコモ経済圏」です。
経済圏の先駆者といえば「楽天」ですが、両者のアプローチは真逆です。
楽天 「金融」を先に抑えてから、通信事業に進出
NTT 「通信」を先に抑えてから、金融事業に進出
やっていること(目指すゴール)は同じですが、NTTは長年やりたがっていた金融のピースをようやく手に入れました。マネックス証券や住信SBIネット銀行の囲い込みがそれです。
さらに、2026年7月(予定)には「dカード」や「d払い」などの金融事業を1つのグループに集約。ガバナンスと収益力を一気に強化します。これにより、住信SBIネット銀行の連結影響なども加わり、NTTの総資産は30兆円から40.6兆円へと激変する見込みです。
この金融軸が活性化することで、通信一本足打法ではない「強力な利益の柱」として機能するはずです。
苦しいときでも「株主を見捨てない」還元姿勢
株価がパッとしない時期でも、NTTは株主還元の手を緩めていません。

(画像引用:2025年度決算、 2026年度業績予想等についてp.36 p.37)
データが示す通り、驚異の16期連続増配を継続中であり、自社株買いも継続しています。業績が横ばいで苦しいなかでも、株主還元をやめない強い維持を感じます。
まとめ:NTTの数年間は「最高の準備期間」
・目先の利益は横ばいだが、裏では「ドコモ経済圏(金融)」が40兆円規模へ大激変中
・iモードの敗北を猛省し、世界のAIの黒衣(黒幕)となる「IOWN世界標準化」が進行中
・株価低迷期でも「16期連続増配」と「自社株買い」でホルダーをがっちりサポート
NTTのこの数年間は、次のジャンプに向けた「成長のための準備期間」と言えます。
「株価が上がらないから……」と手放すのではなく、「銀行の預金に眠らせておくよりはるかにいい」という気持ちで、この低値圏のうちに少しずつ買い集めていきたい王道銘柄です。


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